投稿日:2025.09.07 最終更新日:2025.09.07
ネットワークエンジニアの仕事を徹底解説|要件定義から監視までの実態

ITインフラの世界で欠かせない存在がネットワークエンジニアです。
しかし「ネットワークエンジニアって具体的にどんな仕事をしているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容をわかりやすく整理し、設計・構築・運用・監視といった業務の流れや、実際の働き方のリアルを解説します。
目次
ネットワークエンジニアとは?
ネットワークエンジニアは、ITネットワークシステムの 設計・構築・運用・監視 を行う専門職です。
インターネットは、道路に例えるとわかりやすいでしょう。道路を車(データ)が走り、目的地であるサーバーへと到達します。
ネットワークエンジニアの役割は、その「道路」を整備し、安全かつ効率的にデータが流れるように仕組みをつくることです。
ネットワーク開発の進め方:ウォーターフォールモデル
ネットワークシステムを作る際には「ウォーターフォール開発」という手法が多く用いられます。これは滝のように工程が上から下へと一方通行に流れることから名付けられたものです。
開発の流れは以下の通りです。
- 要件定義
- 基本設計
- 詳細設計
- 構築
- テスト
- 運用
特に要件定義や基本設計は最上流に位置するため、失敗すると後工程すべてに影響が及びます。
要件定義とは?
要件定義は、顧客のニーズをヒアリングし、必要なネットワークの仕様を決める工程です。
建築に例えると「リビングの位置は?」「何階建てにする?」といった間取り決めに相当します。企業の規模や事業内容によって必要なシステムは異なります。
- 全国に数百店舗を展開する小売業 → 大規模ネットワークと無線LAN環境が必要
- オフィス1つの中小企業 → シンプルなLAN環境で十分
顧客の環境を正しく把握し、最適な設計へと落とし込むことが要件定義のポイントです。
要件定義の失敗事例
実際にあった失敗例を紹介します。
ある小売チェーンの案件では、各店舗にネットワーク機器を収納するラックを設置する計画でした。しかし要件定義で「設置場所の寸法確認」を怠ったため、発注したラックが現場に収まらないという事態が発生。結果、全てを発注し直す羽目になり、大きなロスとなりました。
このように、上流工程のミスはプロジェクト全体の崩壊につながるため、要件定義の精度は極めて重要です。
プロジェクト期間はどのくらい?
ネットワーク構築プロジェクトは規模によって大きく異なります。
- 大規模案件 → 1〜2年をかけて、要件定義から設計、構築、テストまでを順次進める
- 小規模案件(店舗1つの新規出店など) → 数日で設計・構築が完了することもある
いずれにしても、短期間で終わる仕事ではなく、綿密な計画と段階的な進行が求められます。
ネットワークエンジニアの1日の流れ
ネットワークエンジニアの業務は大きく 監視業務 と 設計・構築業務 に分かれます。
監視業務の場合
- 定例業務:サーバーバックアップ、サーバールーム巡回、LEDランプの確認など
- 非定例業務:障害アラート対応、エスカレーション(担当者への報告)、簡易的な復旧作業
監視業務は24時間365日体制で行われるため、シフト勤務や夜勤も発生します。夜勤は案件や現場によって16〜17時間勤務になることもありますが、夜間は障害発生が少ないため待機時間が長いケースもあります。
設計・構築業務の場合
- 顧客との打ち合わせで要件をヒアリング
- 設計書を作成
- ネットワーク機器にコマンド入力し、設定を反映
- 必要に応じて資料作成(Excel・PowerPointなど)
こちらは顧客先やオフィスでの作業が中心で、カフェなどオープンな場所での作業は情報漏洩リスクのため禁止されます。
ただし自宅でのリモートワークは可能な場合も多く、柔軟な働き方ができるのも特徴です。
監視業務の夜勤の実態
監視業務では、現場によって早番(10時〜17時)、遅番(17時〜翌10時)などのシフトが組まれることもあります。
夜勤では長時間勤務となりますが、障害が少ない時間帯であり、定例作業をこなしながら待機するのが基本です。
万一障害が発生した場合は、システムを担当するエンジニアへ連絡(エスカレーション)を行い、翌日に本格対応が行われるケースが多く、監視担当者が直接大規模復旧を行うことは稀です。
まとめ
ネットワークエンジニアの仕事は、インターネットという社会基盤を支える重要な役割です。
- 要件定義 では顧客のニーズを的確に掴むことが成功のカギ
- 設計・構築 では技術力と計画性が求められる
- 監視業務 では24時間体制でシステムを守り、障害発生時には迅速な対応が必要
一見すると地味な仕事に見えるかもしれませんが、IT社会を下支えするネットワークエンジニアの存在なくして、日常の便利さは成り立ちません。
ネットワークエンジニアを目指す方は、ぜひ今回紹介した仕事内容や実態を参考に、自分に合ったキャリアを考えてみてください。