投稿日:2025.12.05 最終更新日:2025.12.05
従来型SESと高還元SESの違いとは?若手・ベテランでどちらがオススメ?
近年、SES業界では「従来型」と「高還元型」の二つのスタイルが定着しつつあります。
SNSやYouTubeでも「高還元SESがいい」「従来型は時代遅れ」といった声を目にしますが、実際のところはどうなのか。
実は、どちらも一長一短であり、年齢・経験・キャリア志向によって選ぶべき企業は大きく変わるのが実態です。
本記事では、現役SES経営者が、従来型と高還元型の違いを体系的にまとめました。
目次
従来型SESとは?多重下請け構造と年功序列を引き継ぐ昔ながらの企業

従来型SESは、日本でIT需要が急増した2000年代に主流となった経営スタイルです。
● 多重下請け構造によるマージンの目減り
大手SIer → 一次請け → 二次請け → 三次請け…
と商流が深くなるほど中間会社が増え、
100万円の案件が最終的に50万円になることも日常茶飯事。
そのしわ寄せはエンジニアに向かい、
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給与が低い
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案件を選べない
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長時間労働
など、いわゆる「IT土方」的な環境が生まれました。
● 現在は改善が進んでいる
もちろん、今の従来型SESはここまでブラックではありません。
労働環境は大幅に改善し、ホワイト化が進んでいます。
しかし構造的に残っている課題として、
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年功序列により、若手は給与が上がりにくい
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案件選択の自由がない
などの特徴は今も残りやすいと言えます。
高還元SESとは?自由度と年収を最大化する単価連動型モデル

2010年代後半からトレンドになっているのが高還元SESです。
特徴は主に2つ。
① 単価連動制(給与が案件単価で決まる)
年次ではなくスキルで評価されるため、
若手でも高単価案件に参画すれば年収が大幅に伸びます。
② 案件選択制度
エンジニア自身が希望案件を選べるため、
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リモートワーク
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残業少なめ
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スキルアップにつながる案件
など、働き方の自由度が高いのが魅力。
その結果、年間約2,000人が従来型から高還元型へ転職しているというデータもあるほど。
しかし…高還元SESにも落とし穴がある
高還元SESのデメリットについて次の2点があげられます。
【落とし穴①】キャリア設計が完全に自己責任
案件を自分で選べるのは大きなメリットですが、
若手はどの案件がキャリアに最適か判断できないという問題があります。
例:
「セキュリティエンジニアを目指したい」
→ 本来はネットワーク基礎 → ASA/FortiGate …などの順番が必要
→ しかし若手はそれを知らず、相性の悪い案件を選んでしまう
→ 結果、キャリアが足踏みする場合も
しかも、選んだのは本人なので、
「自分で選んだんだから続けてください」
と言われてしまい、案件変更がしづらくなるケースも。
若手には特にリスクが大きいと言えます。
【落とし穴②】商流が深くなりがちで、大手案件を取りづらい
高還元SESは誕生してまだ10年未満の企業が多く、
以下の理由で 大手SIerとの直接取引が難しい傾向があります。
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社歴が浅く実績が少ない
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営業人数が少ない
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投資(教育・営業力強化)に回せる利益が少ない
結果として、
案件開拓より今月のアサイン対応が優先され、商流を浅くする取り組みまで手が回らない。
これにより、若手がスキルアップしやすい体制参画(チーム参画)が生まれにくいのもデメリットです。
従来型SESの見直されている良さ
一方で従来型SESは、
高還元では難しい次のような利点があります。
● 20年以上の社歴による太いパイプ
大手SIerと長期的な信頼関係がある企業も多く、
100名体制で1社に常駐 などの大規模チーム参画も存在します。
これは若手にとって非常に大きなメリット。
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最初から社内の先輩が周囲にいる
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OJTで学べる
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孤立しない
高還元SESが個人プレイ寄りなのに対し、
従来型は手厚い育成環境が揃っているケースが多いのです。
高還元SES vs 従来型SES|どちらが誰に向いている?
まとめると、以下のような棲み分けになります。
✔ ベテラン向け:高還元SES
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案件選択で働きやすさを調整できる
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単価連動で年収が上がりやすい
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自己管理能力がある人と相性が良い
✔ 若手向け:従来型SES
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教育体制が整っている
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チーム参画でOJTを受けられる
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キャリアを一緒に考えてくれる営業がいる
ケルンは高還元型 × 従来型の良いとこ取りを実現
ケルンでは、そんな高還元SESのデメリットとされるキャリアパス(案件選択制度)が自己責任という点や、良質な案件獲得や商流の課題などをインフラエンジニアに特化することで解決しました。
ケルンが実現しているのは、
① インフラエンジニアのみ採用
→ 営業・教育・サポートを完全にインフラ特化で構築
→ 内勤リソースを効率的に運用できる
② 単価連動(70〜90%還元)
→ 高還元SESのメリットをそのまま享受できる
※ケルンの単価給与連動制の詳細はこちら
③ キャリア伴走型の案件選択
→ ただ案件を並べるのではなく
「どんなエンジニアになりたいか」から逆算して案件を提案
→ 若手でも迷わずキャリアを積み上げられる
④ 技術領域が近いためチーム参画が実現しやすい
→ 同じインフラ領域なので、
10名案件でも3〜4チームに分けて体制参画が可能
→ 若手の成長が加速する
このように、
高還元の自由さ × 従来型の育成支援
の両立を構造的に実現している数少ない企業と言えます。
まとめ|両者に優劣はない。大切なのは自分に合う仕組みを選ぶこと
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高還元SESは自由で高収入だが、若手にはリスクもある
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従来型SESは教育やチーム参画が強く、若手の育成に向く
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両者はどちらが優れているではなく誰に合っているかが重要
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ケルンは高還元のメリットを維持しつつ、従来型の育成支援も統合したモデル
SESは企業ごとに仕組みが全く異なるため、
自分のキャリアビジョンに合う企業を選ぶことが何より大切です。